- ライセンス認証の問題かどうかの判別方法
- ライセンス認証に関連する場合のソリューション
- ライセンス認証に関連しない場合のソリューション
MATLAB が "Busy" や "Initializing" (初期化中) の状態で固まってしまったり、起動に時間がかかってしまうのはなぜですか?
113 views (last 30 days)
Show older comments
MathWorks Support Team
on 26 Aug 2011
Edited: MathWorks Support Team
on 8 Aug 2023
MATLAB は開きますが、ステータスが長時間 "Busy" や "Initializing" (初期化中) となってしまい、MATLAB の起動に非常に時間がかかります。
Accepted Answer
MathWorks Support Team
on 8 Aug 2023
Edited: MathWorks Support Team
on 8 Aug 2023
MATLAB を起動後「初期化中(Initializing)」または「Busy」の状態が続く場合、ライセンス認証の問題が発生している可能性があります。
このソリューションでは、以下の情報を提供します。
ライセンス認証の問題かどうかの判別方法
ライセンスの問題によって起動が遅れているかどうかを判断するには、「-c」起動フラグを使用して MATLAB を起動します。
起動フラグを使用して MATLAB を起動するには、コマンドプロンプトまたはターミナルウィンドウを開き、MATLAB 実行ファイルへのパス、「-c」フラグ、ライセンスファイルへのパスを入力します。
以下の例をご参照ください。
※ $MATLAB は MATLAB がインストールされているディレクトリとなり、 <full_path_to_license_file> はライセンスファイルへの絶対パスとなります。
ライセンス ファイルの場所が不明な場合は、こちら のソリューションをご参照ください。
Windows:
"$MATLAB\bin\win64\MATLAB.exe" -c <full_path_to_license_file or port@host>
Linux または macOS:
./matlab -c <full_path_to_license_file or port@host>
注:シンボリックリンクが作成されていない場合は、$MATLAB/bin/ から実行してください。
これにより問題が解決した場合は、ライセンスの認証に関する問題が根本原因です。
解決しない場合は、当ページ下部の「ライセンス認証に関連しない場合のソリューション」をご参照ください。
ライセンス認証に関連する場合のソリューション
ライセンスの問題は、ライセンスの検索パスに、解決できないホスト名などの不正なエントリがある場合に発生します。
最も一般的なものは、LM_LICENSE_FILE または MLM_LICENSE_FILE という名前の環境変数です。
これらの変数は、MATLAB およびその他の FlexNet アプリケーションにライセンスファイルの場所を指示します。
環境変数とその設定方法の詳細については、こちら のソリューションをご参照ください。
MATLAB が他のコンピューターまたはライセンスサーバーと通信しようとする際に、長い遅延が発生する可能性があります。
ライセンスサーバーとの通信ができていても、サーバー上でライセンスマネージャーが実行されていなければこの問題が発生する可能性があります。
また、ライセンスを借入後、借入を行なったネットワークから切断した場合、MATLAB の起動が遅れる可能性があります。
以下の手順に従って問題を解決します。
1. 問題のあるライセンスファイルまたは環境変数を特定します。
MATLAB を起動し、ライセンスチェックアウトテストを実行して、問題のあるライセンスファイルを特定します。
次のコマンドは、検出したライセンスパスと、チェックアウトの試行に要した時間を一覧表示します。
コマンド1(MATLAB の現在のライセンス検索パスをテストします)
matlab.internal.licensing.pathTest %
コマンド2(特定のライセンス検索パスをテストします)
※ PathToTest には、特定のライセンスファイルを含めた絶対パスを入力します。
matlab.internal.licensing.pathTest (PathToTest) %
実行コマンド例:
>> matlab.internal.licensing.pathTest('C:\Users\%username%\AppData\Roaming\MathWorks\MATLAB\R2021a_licenses\license_HostName_R2021a.lic') %
出力結果例:
Determining checkout time for MATLAB.
MATLAB's license search path is :
C:\Users\Your_Youser_Name\AppData\Roaming\MathWorks\MATLAB\R2021a_licenses\license_HostName_R2021a.lic
C:\Users\Your_Youser_Name\AppData\Roaming\MathWorks\MATLAB\R2021a_licenses\license_HostName_R2021a.lic
Checkout time XX milliseconds. No MATLAB Feature exists on the path (status -8)
Individual ライセンスでは、MATLAB がこのライセンスから正常にチェックアウトしている場合も「No MATLAB Feature exists on the path」と表示されることに注意してください。
ネットワークライセンスでは、このエラーは発生しません。
R2017a 以前のリリースでは、以下のコマンドを実行して、検索パスに含まれるすべてのライセンスファイルを確認することが可能です。
feature lmsearchpath
検索パスに含まれるすべてのライセンスファイルが特定できたら、遅延原因と思われるライセンスエントリ(ネットワークライセンスなど)の削除を行います。
2. 問題のあるライセンスファイルを削除するか、会社の IT 部門へ相談してネットワークの問題を解決します。
ネットワーク上のアクセスできなくなった場所を指定しているライセンスファイルや環境変数をすべて削除します。
ネットワーク上のアクセス可能な場所にライセンスが設定されていて、それが起動遅延の原因となっている場合は、ご所属先のネットワーク管理者様へご相談ください。多くの場合、セキュリティソフトウェアや IT ポリシーによる制限が原因となっています。
ライセンス認証に関連しない場合のソリューション
ソリューション1
多くの場合、MATLAB preferences (設定フォルダー) の破損により MATLAB が正常に起動しなくなります。
こちら のソリューションを参考に、設定フォルダーを再作成します。
ソリューション2
設定フォルダーと同様に、次の MATLAB フォルダーがこの問題を引き起こす可能性があります。
C:\Users\%username%\AppData\Local\MathWorks\MATLAB\R20XXx
解決するには、R20XXx フォルダーの名前を変更するか、既存の R20XXx フォルダーを削除してから新しい R20XXx フォルダーを作成します。
※注 R20XXx は、MATLAB のリリースに対応しています。
ソリューション3
バックグラウンドで動作しているアンチウイルスアプリケーションが MATLAB の速度を低下させる例が報告されています。
このケースでは、MATLAB ディレクトリの「アクティブスキャン」オプションを無効にすることで、パフォーマンスが大幅に向上しました。
例として、Kaspersky Endpoint Security 10 for Windows 10.2.5.3201(MR3.pf1800)は、MATLAB の起動を遅くすることがわかっています。
こちらをご利用の場合は、バージョン 10.3.0.6294 への更新が有効です。
ソリューション4
ファイルを保存する際、ファイル名に無効な文字を入力すると、この問題が発生することがあります。
「 / 」や「 \」など、一部影響しないものもありますが、そのほかの記号を使用すると MATLAB がハングアップします。(例:<, >, ”, |, : )。
正常に実行されるコマンド例:
uiputfile({'*.*','All Files (*.*)'}, 'Save As',fullfile(pwd,'a 1/20'))
MATLAB が Busy 状態となるコマンド例:
uiputfile({'*.*','All Files (*.*)'}, 'Save As',fullfile(pwd,'a 1<20'))
ソリューション5
MATLAB が低速のネットワークからファイルにアクセスしようとしているために、この問題が発生している可能性があります。
「path」コマンドの実行結果を確認し、すべてのディレクトリがローカルであることを確認します。
ネットワーク上のパスが存在する場合は、一旦削除して改善するか確認します。
ソリューション6
まれに、MATLAB の設定が起動パフォーマンスに悪影響を与える場合があります。
次の手順にて、ツールボックスのキャッシュ設定をデフォルトに戻します。
1. MATLAB の [ホーム] タブ上で、[基本設定] ボタンをクリックします。
2.「基本設定」ウィンドウ内で、左側の「MATLAB->一般」を選択します。
3. 右側で、「ツールボックス パス キャッシュを有効にする」がチェックされていることを確認します。
起動パフォーマンスに悪影響を与える可能性のあるもう1つの設定は、ソース管理の統合です。
ソース管理統合を使用しない場合は、この設定を無効にします。
1. MATLAB の [ホーム] タブ上で、[基本設定] ボタンをクリックします。
2.「基本設定」ウィンドウ内で、「MATLAB->一般->ソース管理」を選択します。左側の。
3. 右側の「なし」を選択し、変更を適用します。
ソリューション7
上記のソリューションのいずれでも問題が解決しない場合は、「timing」フラグを診断ツールとして使用して、初期化に時間がかかるプロセスを特定できます。
これを行うには、次のように bin ディレクトリに移動して、コマンドプロンプトまたはターミナルから MATLAB を実行します。
※ $MATLAB は MATLAB がインストールされているディレクトリです。
cd $MATLAB\R20XXx\bin
次に、以下のコマンドを実行します。
matlab -timing
これにより MATLAB が起動し、各起動タスクにかかった時間が自動的に記録されます。
起動が完了すると、MATLAB コマンドウィンドウ内に結果を要約したログが出力されます。
これにより、出力の上部に記載されているテキストログファイルも作成されることに注意してください。
ソリューション8
Windows、Linux、MacOSなどのオペレーティングシステムが最近アップデートされた場合は、アップデートが正常にインストールされたことを確認し、インストールが必要なその他のアップデートを完了させてください。
上記ソリューション内容にてパフォーマンスに関する問題を回避することができない場合や、特定の製品のパフォーマンスに関する懸念がある場合は、下記 URL よりテクニカルサポートへお問い合わせください。
0 Comments
More Answers (0)
See Also
Products
Community Treasure Hunt
Find the treasures in MATLAB Central and discover how the community can help you!
Start Hunting!