Simulinkモデルのボード線図(Bodeプロット)を作成するには、Simulink Control Design 製品の機能を活用することをおすすめします。以下の2つの主な方法があります。以下の情報を元に、モデルにあった方法をお試しください。
- 線形モデル化:標準的な連続システムや、線形近似が有効な場合
- 周波数応答推定:PWMなど不連続要素を含む場合や、より実際の挙動に近い応答を得たい場合
1. モデルの線形化による方法
- Model LinearizerアプリSimulink Control Designに含まれる「Model Linearizer」アプリを使うと、モデルを対話的に線形化できます。
- コマンドラインでの線形化linearize 関数を使えば、コマンドラインからもモデルの線形化が可能です。
線形化とは?
一般的にSimulinkモデルは非線形ですが、指定した動作点(オペレーティングポイント)で近似的に線形モデル(LTIモデル:状態空間モデルや伝達関数)を計算します。
この処理では、Simulinkモデル内の各ブロックごとに個別に線形化を行い、それらを組み合わせて全体の線形モデルを作成します。
ボード線図の描画方法
2. 周波数応答推定(Frequency Response Estimation)による方法
モデルに不連続要素(例:パワーエレクトロニクス応用でよく使われるPWMスイッチングなど)が含まれている場合、単純な線形化では正確な周波数応答が得られないことがあります。この場合は「周波数応答推定」をおすすめします。
- モデルにサイン波列(sinestream)や疑似ランダムバイナリ列(PRBS)などの励振信号を入力し、シミュレーションを実行します。
- シミュレーション中に取得した入力・出力データから、モデルの周波数応答を推定します。
推定方法